名刺の実現!

わたし自身、男女の能力に対する誤った先入観を持つことなく、物事が見られるようになりました(実際、わたしかいま教えている合計大学院でも、成績ト位はほとんどか女性です)。
ものか見えるには、仮説を持つことか大切だと何度もお話ししていますか、適切な仮説を立てるためには、その根幹となる正しい思想が必要です。
思想があれば、物事の原理原則を見極めることができます。
原理原則から、ものを見ることができるようになると思います。
先に要点を知るアメリカのビジネススクールに行っていたとき、一〇〇〇ページとか二〇〇〇ぺIジの本やケースを読む課題か毎週渡されました。
そんなもの、アメリカ人だって、全部、読めまぜんからどうするかというと、目次とけじめの概説部分を読む、それから、太文字になっているところだけをば1つと読んでいったり、見出しは太字か多いから、見出しだけ読んでいったり。
そうやって、ハイライトされたものだけ見ていって、要点を知るわけです。
それから、特に大切そうなところや関心のあるところだけ、すこし丁寧に読む。
おそらくは、いわゆる速読というのも、基本的には、同じ考え方によるものではないかと思います。
まずは、先に要点を知るだけで、ものはずいぶん見えやすくなります。
逆に、部下に指導するときは、関心を持ってほしい部分を何度も強調するなど、見えやすい形にしてやるとよいでしょう。
先に要点を知ることと同様、ヒントを先に得ることもものが見えるようになるコツのひとつです。
美術館に行ったときに、はじめて見る絵でもノ説明書きを先に読めば、絵の見元方か違います。
旅行に行くときに、先にガイドブ″クを読んでおくのも同じです。
同様に、よく分かっている人からある程度のレクチ七−を受けたら、ものの見え方か違ってくることもあります。
もっとうまい人はヒントだけを与えて、見えるように考えさせます。
そうした意味で、教師や上司、先輩の役割というのは重要です。
問題を分解すると、ものが見えやすくなります。
最初のほうでもお話ししました『か、たとえば、アパレルで企画を立てるとき、新人に、「世の中全体のトレントはどうなの」と聞いても分からないけれど、「原宿に行って色だけ見てこい。
デザインだけ見てこい」とブレイクダウンすると、見えやすくなります。
初心者に対し課題を生えるときは特にこうした配慮が必要です。
自分で見える力を高めたい場合には、全体像を見るとともに、興味のある一部分を特に注意深く丹念に見るようにすると見方が違ってきます。
らかった部屋では、片づいた部屋のほうか、カーペット全体か汚れていては、一ヵ所だけの汚れが際立って見えません。
つまり、見る刈象を少なくする。
これか、ものが見えやすくなる方法のひとつです。
だから、上司か部下に仕事を指導する場合も、「頑張ってね」ではなくて対象を絞り、何をどう頑張ればいいのかということを教えてやるのか、優れた上司です。
発見であると同時に、ひらめき、つまり発想です。
ですから、気づいたことがあったら、すぐにメモする習慣を持つことか大事です。
そのためには、常に近くにメモ帳やノートを持っていることをお薦めします。
わたしはときどき、手帳をメモ帳代わりに使うこともあります。
わたしたちは忘れるからです。
忘れるうちに見えなくなることがよくありますから。
少なくとも、わたしはそうです。
メモを見直すなかで、そのメモに書かれた事柄同士の関連性に気づき、さらに、ものが見えてくることもよくあります。
リョツカールトンのホテルの空調の話のところにも書きましたが、比較してはじめて分かることはたくさんあります。
というか、基本的には、わたしたちは、比較によって、物事を認識するのです。
たとえば、ドミソとドファラの和音の違いなど、絶対音感のある人以外は、単独で聞かされても分からない。
でも、順番に弾いてもらえば分かる。
財務諸表でもそうです。
トヨタの財務諸希だけ見ていても分からない。
でも、三菱自動車の財務諸表と見比べたら、どちらがいいか悪いかは簡単に分かる。
比較することによって、見えることはたくさんあります。
比較するというのは、物事を見るときの基本です。
ところで、わたしは、実は、三年連用日記をつけています。
自分で言うのもなんですか、「続く人」で、五冊目が今年で終わろうとしているので、かれこれト五年ですね。
三年連用日記のいいところは、一年前や二年前『か見えるところで、比較する習慣が身につく。
それと、ものすごい昔だと思っていたことが一年前のことだったり、つい最近だと思っていたことが二年前のことだったりと、自分の感覚かいかに曖昧かというのかよく分かるということもあります。
先口、会社の応接室に、キャビネットを入れました。
うちは毎口お掃除してトますし、それが趣味みたいな会社なので、それを入れるまでべそれなりに整った部屋だと思っていました。
ところか、新しいキャビネットを入れた途端、周りのものが古くたっていることに気づきました。
これも、比較」の一種ですが、何かひとつを入れ替えることによって、そのほかのものに気づくということはよくあります。
それまで見えなかったものが見えてくるのです。
昔、東京駅の雑踏の中でジャイアント馬場を見たことかあります。
ものすごい人の流れの中で、ジャイアント馬場だけ胸から上『か飛び出して見えていました。
ふつうの人なら、前の人の頭ぐらいしか見えないというのに、彼には全景が見えていたはずです。
だとすると、背の高い人というのは、よく見えるだろうなと思います『か、どうでしょうか。
身長を変えることはできません『か、いつもとは違った場所からものを見てみることはできます。
物理的にも、心理的にも。
円錐は横から見ると二等辺三角形ですか、ヒから見ると円‥です。
視点を変えると、ものはまったく違って見えます。
毎年、夏は北海道、冬はグアムに行って、会社の十年先のことを考えるというセミナーを開いています。
ふだんは、各社の社長や幹部だけが一人で参加するのですが、あるとき、幹部と社長が二人で参加した会社と、同業の社長『か二人ペアで参加した会社かありました。
そこで気づいたのは、ペアで自社の将来を考えた人だものほうか、一人で考えた人だちより、格段に出来がよいということでした。
つまり、どんなに頭のいい人でも、自分の発想とか自分のバイアスとか、自分の目の位置、視点の位置を、変えようと思っても変えられないのです。
ところが、複数の人の立ち位置でものを見ると、視点も発想法も先入観も違うから、必然的に意見も違ってくる。
その衝突から、見えていないもの『か見えてくるのです。
複数の視点を持ち込むために、複数で話すことは、ものが見えてくる大きなポイントになります。
最近、経営者や経営幹部の間で、ビジネスコーチを雇うAが増えてきているようですが、それも、この、別の視点を持ち込むことによって、ものを見えやすくするためのことだとも言えるでしょう。
ものが見える最後のヒントは、素直であることです。
いくら複数で話したり、わたしのようなコンサルタントを雇っていても、別の視点を受け入れる素直さがないと、何も変わりません。
この木をここまで読んでも、何も変わりません。
こだわりは大事だけれど、頑なさはため。
頑なな人は、ものか見えません。
というか、もの・か見えない人のことを頑なな人というのかもしれません。
頑なになっていると、自分は絶対に正しいと1つて、自分の視点は絶対変えない。
そういうことになると、見えているものでも見えなくなりますね。

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